うれしはずかしウマシカ日記

車とバイクに振り回される日々をしたためる。名前はまだ与えられておりませぬが、ウマとシカと書くのが適当かと思われます。

フィルム・アンソロジー

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デジタルカメラが普及して、誰もがコンパクトデジタルカメラを手にしてた時期があり、いまはそれもスマートフォンに。

自分が写真を撮るようになったのは、フィルム全盛期。機材は常に重いし、感度はせいぜいISO400程度まで、ホワイトバランスをデジタルのように可変できないため、フィルターワークが必須な時代。コマーシャルカットで、たとえば外光と照明の光が混じるシーンなどは光の色をメータで計り、フィルターを何枚も重ねたり、ともかく大変。

低照度下のライブ撮影などは、いかに明るいレンズを使ってもせいぜい1/30程度のシャッターしか切れない。そんな中で動きを止めるカット、躍動感あるカット、限られた光量の中でステージ全景のカットを納めるには照明の動きを読むしかない。

フィルムはデジタルと違い、格段に自由度が低い。また撮った物をすぐ確認なんて芸当はできない。だからこそ、脳内できっちり描けていないのにシャッターを切ることができない。<仕上がりが担保されないため

まさに段取り八分に仕事二分。段取りがすべて、そこに経験則を流し込んでいくという、職人仕事のような部分を、デジタルがきれいに取り去った。これは素晴らしいこと。誰もが簡単にシャッターを切ることができて、そう当たり外れのない仕上がりになる。こんなに素晴らしいことはないのだ。だからデジタルカメラってのは実に偉大。

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フィルムカメラだと、バッグの中でフィルムがかなりの面積を喰う。デジタルだと気軽なものだ。

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デジタルの場合、自動的に感度を制御できたり、1カットごとに感度を変えることができるが、フィルムの場合そんなことは不可能。またデジタルカメラは比較的に超高感度撮影が可能だが、フィルムの場合、せいぜいISO3200程度。上のフィルムはKodak TRI-Xという感度400のフィルムで、これを現像時に余計に現像液に浸すことで、本来400のフィルムを3倍の感度、つまりISO3200で使用。仕上がりは粒子まみれで、ざらっとした絵になる。

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いまやフィルムで撮影するメリットはないに等しい。ただ、フィルムってのは「物」ってのが面白い。フィルムという物に化学反応を起こして、絵という物が仕上がる。これはデジタルとはあからさまに違う。また、撮影という行為も含めて、入り口から出口まですべてアナログなプロセス。

車でたとえると、電子制御てんこ盛りの現代車がデジタルカメラなら、キャブレターで動くコンピュータなんて一つも載っかってない旧車がフィルムカメラ。現代車も旧車も車であるところは一緒。デジカメとフィルムカメラも写真を撮る道具というところは一緒。

旧車もフィルムカメラも「面倒くさい」。けど、楽しい(笑)モノクロフィルムの販売がなくなりつつあり、しばらくモノクロを撮っておきたい。